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Zattoo社は、ヨーロッパの主要なTVアズアサービス(TVaaS)プロバイダーの1つです。同社は、Vegaを基盤とする共有React NativeアーキテクチャにTVアプリの開発を統合することで、一部の機能の開発サイクルを数か月から約1週間に短縮しました。
Zattoo社は、ライブTVとオンデマンドコンテンツに加えて、各種機能(リプレイや録画など(英語のみ))を提供しています。一般の視聴者に対する直接的なサービス提供と、通信プロバイダー向けにホワイトラベルオファリング(Zattoo社のテクノロジーをパートナーが自社製品としてブランド化できるしくみ)を介したサービス提供を行っているZattoo社は、スマートTV、モバイルデバイス、ウェブブラウザなどの幅広いデバイスでビジネスを展開しています。
デバイスのフットプリントが拡大する中、Zattoo社は、一貫性のある質の高いユーザーエクスペリエンスはそのままに、複数のTVオペレーティングシステムの開発を統合することにしました。
Zattoo社のTVアプリは従来、OS固有のネイティブコードベースを使用して構築されていました。主要なオペレーティングシステムごとに、独自の実装、ツール、開発ワークフローが必要でした。このアプローチにより幅広いデバイスに対応できましたが、TVアプリの進化に伴って複雑性が増大し、複数のコードベース間で一貫した方法でパフォーマンスに対処することが難しくなっていました。
複数のチームが個別に各オペレーティングシステムを担当していたため、調整のオーバーヘッドが増加し、結果的に視聴者のエクスペリエンスに不整合が生じていました。 機能を何度も実装しなければならなかったため、機能の提供が遅れ、デバイス間の互換性を維持することに困難が生じていました。その結果、定期的なアップデートの場合でさえ、チーム間で大量の調整作業が必要になりました。そしてZattoo社のロードマップが加速していく中、よりスケーラブルな開発モデルの導入が急務となりました。
調整のオーバーヘッドが増加し、機能互換性の維持が困難になる中、Zattoo社はOS固有の開発モデルに代わるソリューションの評価を開始しました。 担当チームは、ウェブベースランタイムやその他のマルチエクスペリエンスフレームワークを含む、複数のクロスエクスペリエンス開発アプローチを検討しました。これらの選択肢は有望でしたが、TVを重視したユーザーエクスペリエンスのためのパフォーマンス、システム統合、長期的なスケーラビリティという面で妥協しなければなりませんでした。
Zattoo社は既に、統合React Nativeアーキテクチャへの移行に向けた投資を開始していました。Amazonが発表したVega(TVエクスペリエンスの構築向けに最適化されたReact Nativeベースのシステム)は、チームが既に追い求めていた方向性に合致し、その取り組みをさらに加速するものでした。Vegaへの移行中、Zattoo社は意図的にReact Nativeの移行作業を重要な設計またはUXの変更から切り離しました。 これにより、チームはほかの要因を考慮することなく新しいテクノロジー基盤を検証できました。その結果、基盤となるテクノロジー転換を実現しながら、UXをわずかに調整しただけの統合TVアプリをローンチできました。
この移行全体で勢いを維持できた主な要因は、Amazonのエンジニアリングチームとの連携でした。Amazon Vegaのエンジニアリングチームは、移行全体で実践的なサポートを提供し、Zattoo社による共有モノレポアーキテクチャ(英語のみ)の導入支援、必要なReact Nativeライブラリの有効化、パフォーマンスに関する考慮事項への対処を行いました。このサポートにより、Zattoo社はTVエクスペリエンスでのコード統合に向けた取り組みを加速させることができました。 共有モノレポ内にVegaとAndroid TVを共存させることで、Zattoo社はチームを複数のテクノロジーに分散させることなく開発を統合できました。
アーキテクチャの方向性を定めたZattoo社は、行動に移りました。チームは、1つのReact Nativeコードベースで複数のTVオペレーティングシステムに対応できることを検証する概念実証を開始しました。開発者チームは、初期段階からドキュメントを作成し、サンプルプロジェクトを実施し、Amazonのチームと直接連携することで、最初のVegaアプリを数日以内に実行することができました。さらにその後、数スプリントのうちに、より広範なマルチエクスペリエンスの試作品を完成させました。
チームは、複数のTVオペレーティングのビジネスロジック、UIコンポーネント、ツールを共有するモノレポアーキテクチャを採用しました。再生の統合やアプリ内課金の処理など、OS固有の相違点はモジュラーコンポーネントに切り離し、柔軟性を維持しながら重複を最小限に抑えました。
以前は、機能を提供する場合、それぞれ独自のスケジュールで動く、ウェブ担当OSチームと別の2種類のサードパーティOS担当チームの間でのプランニングと優先順位の調整が必要でした。統合React Nativeアーキテクチャでは、ほとんどのロードマップ項目が、すべての価値提供を内部で完結できるチームによって計画、提供されるようになり、チーム間の依存関係を削減してスプリントのプランニングを簡素化できるようになりました。具体的に説明しましょう。以前は、番組詳細ビューなどの機能を各OSで個別に実装する必要があり、それぞれ独自のQAサイクルを実施していました。それが、OS固有の修正を加えることなく、VegaとAndroid TVの両方で1つの実装が実行されるようになったのです。一部のワークフローでは、この統合アプローチによって開発サイクルが数か月から約1週間に短縮しました。
Zattoo社は、チームの人数を大幅に増やすことなく、既存のエンジニアを維持することに注力しました。チームは数か月をかけて、OS固有のサイロから、エンドツーエンド機能を担当する機能特化型グループに変化していきました。Zattoo社にとって、2026年の第一四半期は、2つのTVオペレーティングシステムをReact Nativeで実行し続ける最初の四半期となるため、チームは年間をとおして提供の迅速化を追跡することを計画しています。
「Vegaの登場により理想的なタイミングで、クロスプラットフォームの一貫性を実現することができました。TVのユーザーエクスペリエンスで約95%の一貫性を達成すると同時に、チームによる機能の構築とリリースを簡素化することもできました。」
- Pavel Verkhovskyi氏、エンジニアリング責任者、Zattoo社
TVアプリの開発をVegaに統合したZattoo社は、さまざまなデバイスでの機能の構築、テスト、提供の方法を変革し、より一貫性のあるエクスペリエンスを実現するとともに、調整と開発両方のスピードを改善できました。ローンチ以来、クラッシュ発生率、再生品質スコア、全体的なアプリの使用パターンといった中核的な安定性指標は、さまざまなベンチマークで、以前のネイティブアプリと比べて同レベルであるか向上しています。
「移行全体を通じて、Amazonのサポートの質と応答性は私たちの期待を超えるものでした。ドキュメント、コミュニティフォーラム、そして定期的な接点のおかげで、簡単に課題を切り抜け、確信を持って前に進むことができました。」
- Bogdan Plieshka氏、プリンシパルフロントエンドエンジニア、Zattoo社
こうして基盤を確立したZattoo社は現在、これらの成果をデバイスポートフォリオ全体に拡大することに注力しています。統合TVアプリのローンチ後、Zattoo社はほかのTVオペレーティングシステムにも機能互換性を拡大し続ける一方で、顧客のフィードバックをモニタリングし、エクスペリエンスを刷新していく計画です。チームは、その統合アプローチを開発の枠を越えて品質保証にも拡大するために、クロスOSテストインフラストラクチャにも投資しています。
統合コードベースに新たなTVオペレーティングシステムを追加するたびに、さらに効率が向上します。重複は減り、提供は迅速になり、エンジニアリングチームの能力をメンテナンスではなくイノベーションに活用できるようになります。
Zattoo社は今後も、TVアプリポートフォリオを単独のReact Native基盤に移行し続けます。Vegaは引き続き、同社の長期的な戦略の中核的な要素として、複数のデバイスにTVエクスペリエンスを拡張していきます。