AI活用開発に向けたAmazon Devices Builder Toolsのセットアップ
AI活用開発に向けたAmazon Devices Builder Toolsには、Model Context Protocol(MCP)(英語のみ)サーバーとエージェントスキルが含まれています。これらのコンポーネントは、Amazonデバイス固有のメタデータ、ツール、ワークフローをAIコーディングエージェントに提供します。これによりエージェントは、プロジェクトのセットアップ、機能の統合、パフォーマンス分析、クラッシュのデバッグ、テストを行うときに、推奨パターンとベストプラクティスに従うようになります。
Amazon Devices Builder Toolsは、Fire TVに搭載されているVega OSを対象にサポートを提供します。Fire OSでも開発を行う開発者向けに、アプリ内購入(IAP)の統合とアプリの移行のワークフローをサポートしています。
Amazon Devices Builder Toolsには以下が含まれています。
- Builder Tools MCPサーバー - 互換性のあるAIコーディングエージェントにAmazonデバイスのメタデータ、ツール、機能を提供する、スタンドアロンのnpmパッケージです。
- Builder Toolsエージェントスキル - Fire TVの開発ワークフローにおいてエージェントをガイドする、軽量でモジュール型のマークダウンベースの命令セットです。
- ステアリングドキュメント - 基礎となるAmazonデバイスのベストプラクティスをAIアシスタントに教えるコンテキストファイルです。
Amazon Devices Builder Toolsでは、開発者の秘密情報が収集、送信、保存されることはありません。詳細については、プライバシーに関するよくある質問(FAQ)を参照してください。
Amazon Devices Builder Toolsはスタンドアロンのnpmパッケージであり、Vega SDKにはバンドルされていません。このページの手順に従って個別にインストールしてください。すべての機能の一覧、サポートされているエージェント、手動構成オプション、ツールのリファレンスについては、Amazon Devices Builder ToolsのReadMe(英語のみ)を参照してください。
@amazon-devices/amazon-devices-buildertools-mcp)は、以前はVega DevTools(@amazon-devices/vega-devtools-mcp)と呼ばれていました。以前のバージョンがインストールされている場合は、設定ファイルから@amazon-devices/vega-devtools-mcpを削除して、@amazon-devices/amazon-devices-buildertools-mcpを追加すると、最新のアップデートと機能を取得できるようになります。前提条件
- Node.js 18以降
- Vega SDK v0.22以降
開始の手順
ターミナル(BashまたはZSHシェル)で以下のセットアップコマンドを実行して、使用するAIエージェントに応じてAmazon Devices Builder Toolsを構成し、プロジェクトにAmazonデバイス固有のコンテキストを追加します。
npx -y @amazon-devices/amazon-devices-buildertools-mcp@latest init-context
このコマンドは、MCP、ステアリング、スキルをインストールし、使用するAIエージェント用に構成します。エージェントの選択、インストールディレクトリの選択、既存のコンテキストファイルの処理を求めるプロンプトが表示されます。それ以降に再びinit-contextを実行すると、アップデートがチェックされ、新機能が自動的にダウンロードされます。
コマンドが正常に完了すると、次のような出力が表示されます。
✅ MCP configuration updated
✅ Context document installed
✅ Setup complete for Kiro
対話モード(デフォルト)
対話モードで実行した場合は、次の手順が案内されます。
- AIエージェントを選択します(Cursor、Kiro、その他/カスタムなど)。
- エージェントのMCP設定ファイルを自動更新するかどうかを、
y/nを入力して指定します。 - コンテキストドキュメントのインストールパスとして、デフォルトのパスを選択するか、カスタムパスを入力します。
- アクションとして、
merge(既存のファイルに新しいコンテンツを追加)、update(既存のファイルを上書き)、save(新しいファイルに書き込み)のいずれかを選択します。
非対話モード
コマンドラインオプションを使用すると、プロンプトをスキップしてセットアッププロセスを自動化できます。
npx -y @amazon-devices/amazon-devices-buildertools-mcp@latest init-context --agent <エージェント名> --force
指定できるオプションは次のとおりです。
| オプション | 説明 |
|---|---|
-a、--agent <タイプ> |
ターゲットのAIエージェントを指定します(cursor、cline、kiro、claude-code-cli、claude-code-desktop、github-copilot、amazon-q、other)。 |
-p、--context-document-path |
コンテキストドキュメントの保存先のパスを指定します。 |
-d、--skip-context-document |
コンテキストドキュメントのインストールをスキップします(MCPの構成のみ)。 |
-m、--skip-mcp-config |
MCPの構成をスキップします(コンテキストドキュメントのみ)。 |
-f、--force |
すべての確認プロンプトをスキップして強制的に上書きします。 |
-h、--help |
init-contextコマンドのヘルプを表示します。 |
エージェントのセットアップステータスの確認
MCPサーバーとコンテキストドキュメントをインストールしたら、check-statusコマンドを使用してセットアップを検証します。
npx -y @amazon-devices/amazon-devices-buildertools-mcp@latest check-status
特定のエージェントをチェックするには、次のコマンドを使用します。
npx -y @amazon-devices/amazon-devices-buildertools-mcp@latest check-status --agent <エージェント名>
このコマンドにより、以下のチェックが行われます。
- コンテキストドキュメントのインストールステータスとバージョン
- MCPの構成ステータス
- レガシー構成の検出
出力の例:
Agent │ Context Document │ MCP Configuration
───────────────────────┼──────────────────────────┼──────────────────────────
Kiro │ ✅ v5.1 │ ✅ Configured
📊 Summary:
Total agents checked: 1
✅ Fully configured: 1
セットアップの検証
インストールが完了したら、まずcheck-statusを実行して、構成が正しいことを確認します(エージェントのセットアップステータスの確認を参照)。次に、エージェントからAmazon Devices Builder Toolsにアクセスできることを確認します。AIエージェントのチャットで、以下のように入力します。
List the tools provided by Amazon Devices Builder Tools and Agent Skills
エージェントは、使用可能なツールの一覧を応答として返します。これには、analyze_perfetto_traces、get_app_hot_functions、list_documents、read_asset、read_document、search_documentation、symbolicate_acrが含まれます。
次に、Amazonデバイス固有のプロンプトを試します。
Help me setup Vega SDK
エージェントが(汎用的なReact Nativeの手順ではなく)Amazonデバイス固有のセットアップ手順で応答すれば、構成は正しく機能しています。問題が発生した場合は、AI活用開発に向けたAmazon Devices Builder Toolsのトラブルシューティングを参照してください。
セットアップが検証されたら、「Build and run my app on Virtual Device」や「Help me debug TTFF in my app」などのプロンプトを試して、Amazon Devices Builder Toolsのさまざまな機能を使用できます。追加の例については、サポート対象のワークフローを参照してください。
Builder Toolsエージェントスキル
Builder Toolsエージェントスキルは、Fire TVの一般的な開発ワークフローやデバッグワークフローの検証済みの手順をエージェントにガイドする、軽量でモジュール型のマークダウンベース(SKILL.md)の命令セットです。エージェントスキルは、プロンプトがスキルのメタデータと一致すると自動的にトリガーされます。
次のスキルが用意されています。
| スキル | 目的 |
|---|---|
| amazon-devices-vega-setup-sdk | SDKまたはCLIコマンドのインストール |
| amazon-devices-vega-build-and-run | アプリのビルド、インストール、実行、デプロイ |
| amazon-devices-vega-navigation | 画面ナビゲーションの実装 |
| amazon-devices-vega-focus-management | D-pad/リモコンのフォーカスの処理 |
| amazon-devices-vega-media-player | ビデオ/オーディオ再生の実装 |
| amazon-devices-vega-ui-components | UIコンポーネント(ボタン、リスト、カード) |
| amazon-devices-vega-app-manifest | manifest.tomlの構成 |
| amazon-devices-vega-app-performance | アプリのパフォーマンスのデバッグまたは最適化 |
| amazon-devices-vega-best-practices | 開発に関するベストプラクティス |
| vega-multi-tv-migration | VegaアプリからFire OSを含むクロスデバイスのReact Nativeモノレポへの移行 |
これらのスキルは、開発者が使用または作成するほかの任意のスキルと一緒に機能します。開発者からのフィードバックに基づいて新しいスキルが追加されることもあります。
MCPツール
Builder Tools MCPサーバーには、Vegaアプリ開発を支援する以下のツールが用意されています。
| ツール | 説明 |
|---|---|
| analyze_perfetto_traces | Perfettoトレースプロセッサを使用してVegaプラットフォームのトレースを分析し、KPI指標とパフォーマンスデータを抽出します。パフォーマンスの問題を診断し、アプリの起動時間(TTFF、TTFD)を分析するために役立ちます。 |
| get_app_hot_functions | CPUトレースファイルを読み取って分析し、パフォーマンスのボトルネックとなるホット関数(CPU負荷の高い操作)を特定します。どの関数がCPU時間を最も多く消費しているかを特定するために役立ちます。 |
| list_documents | Amazon Vega OS向けのアプリ開発に関連する、使用可能なすべてのVegaドキュメントの一覧を取得します。使用できるドキュメントの名前と説明を返します。タイプ(KB、PROMPT、STEERING、WORKFLOW、SKILL)によるフィルタリングがサポートされます。 |
| read_asset | エージェント型ワークフローで参照されているアセットを取得します。アセットは一時的な場所に保存されます。画像とスクリプトがサポートされます。 |
| read_document | Amazon Vega OS向けのアプリ開発に関連するドキュメントを読みます。Vegaアプリの開発とデバッグのトピックに関する包括的なドキュメントにアクセスできます。 |
| search_documentation | 全文検索を使用して、Vega開発ドキュメントとエージェント型ワークフローを検索します。クエリに一致するドキュメントの名前と、関連するスニペットを返します。 |
| symbolicate_acr | ACR(Amazonクラッシュレポート)ファイルをシンボリケートし、レポートを作成します。GDBベースのネイティブクラッシュのシンボリケーションと、JavaScriptスタックトレースのシンボリケーションの両方がサポートされます。 |
MCPプロンプト
Builder Tools MCPには、一般的なワークフロー向けに以下の定義済みのプロンプトテンプレートが用意されています。AIエージェントがMCPプロンプトをサポートしている場合は、/promptsを使用して実行できます。
| プロンプト | 説明 |
|---|---|
| apply_performance_best_practices | コンポーネントのレンダリング、メモリ管理、ナビゲーション、ネットワークの最適化、状態管理など、React Nativeアプリのパフォーマンスの問題を診断し、最適化します。 |
| detect_component_re-renders | React Nativeツールを使用して、コンポーネントの再レンダリングによって発生するVegaアプリのUIの滑らかさに関する問題を診断し、最適化します。 |
| diagnose-slowAppLaunch | KPIレポートファイルを使用して、Vegaアプリの起動の遅さに関連するKPI(TTFFやTTFD)を診断します。 |
| diagnose_crash | Vegaアプリのクラッシュを診断します。クラッシュには、JavaScript、ネイティブ、LMK、ANRによるものがあります。ACRファイルを自動的に検出し、スタックトレースをシンボリケートして、適切な分析ワークフローに導きます。 |
| diagnose_key_input_latency | JSスレッドのパフォーマンス、CPUボトルネック、入力イベント処理の最適化を体系的に分析して、React Native Vegaアプリのキー入力遅延の問題を診断し、解決します。 |
| diagnose_ui_fluidity | コンポーネントの再レンダリングとCPUパフォーマンスのボトルネックを体系的に分析して、React Native VegaアプリのUIの滑らかさKPIの問題を診断します。 |
| fix_hot_functions | CPU負荷の高いホット関数の分析と修正を行って、VegaアプリのUIの滑らかさに関する問題を診断し、最適化します。 |
| react_native_for_vega_add_simple_media_playback_implementation | 既存のVega向けReact Nativeアプリに、シンプルなメディア再生の実装を追加します。 |
| upgrade_carousel_component | Vega SDKのCarouselコンポーネントを新しいバージョンに移行する支援を行います。 |
サポート対象のワークフロー
エージェントスキルとMCPプロンプトに加えて、Amazon Devices Builder Toolsでは以下のワークフローがサポートされます。サポートされるすべてのワークフローの一覧については、Amazon Devices Builder ToolsのReadMe(英語のみ)を参照してください。
| 開発領域 | 説明 | プロンプトの例 |
|---|---|---|
| オンボーディング | Vegaアプリの開発環境をセットアップします。 | 「Help me setup Vega SDK」、「Help me set up Vega app project」、「Tell me about Vega app development」 |
| アプリの移植(ベータ版) | アプリタイプを自動的に検出して、Fire OSアプリをVegaに移植するか、ウェブURLをVegaアプリとしてラップします。 | 「Port my TV app to Vega」、「Convert my Fire OS WebView app to a Vega Web App」、「Port my Fire OS React Native app to VegaScript」 |
| 機能の統合 | VegaアプリやFire OSアプリにAmazonアプリストアアプリ内課金(IAP)SDKを統合してテストします。 | 「Help me integrate IAP in my Vega app」、「How do I set up In-App Purchasing for my Vega app?」、「Help me test IAP in my Vega app」 |
| UI開発 | スクリーンショットやデザインモックアップからVegaアプリのUIを作成します。 | 「I have an image at {画像のパス}. Create a Vega app to match the image.」 |
| フォーカス管理 | TVインターフェイスにD-padナビゲーションとフォーカス管理を実装します。 | 「Can you create an app with 2 buttons to show case focus management?」 |
| フィードバックの送信 | MCPに関するフィードバックをAmazonに送信します。 | 「I want to provide feedback」、「How can I provide vega mcp feedback?」 |
| パフォーマンス - 応答性 | 最初のフレームまでの時間(TTFF)、描画完了までの時間(TTFD)、UIの再レンダリング、入力遅延のデバッグと修正を行います。 | 「Can you help me debug and fix the TTFF issue in my app?」、「Can you help me minimize unnecessary re-renders in my app?」、「Why is my app responding slowly to key presses?」 |
| パフォーマンス - 滑らかさ | コンポーネントの再レンダリングとCPUパフォーマンスを分析して、滑らかさの問題を診断し、修正します。 | 「Help me fix frame drops and jank in my Vega app」、「Why is scrolling not smooth in my app?」 |
| パフォーマンスに関するベストプラクティス | コンポーネントとコードを分析して、React Native Vegaのパフォーマンスに関するベストプラクティスに従っているかどうかを確認します。 | 「Help me analyze if this component is following React Native Vega performance best practices」 |
| クラッシュ分析 | ACRの自動分析により、JavaScript、ネイティブ、LMK、ANRのクラッシュを診断します。 | 「Why did my app crash?」、「Help me analyze this ACR file /path/to/crash.acr」 |
| キー入力遅延 | JSスレッドのパフォーマンスと入力イベントを分析して、キー入力遅延の問題を診断し、解決します。 | 「Why is my app responding slowly to key presses?」、「Help me diagnose key input latency in my Vega app」 |
| UIの滑らかさ | コンポーネントの再レンダリングとCPUパフォーマンスを分析して、UIの滑らかさKPIの問題を診断します。 | 「My app's UI fluidity score is low, help me diagnose it」、「Why is scrolling not smooth in my app?」 |
| SDKとCLI | SDKをインストール/アップデートし、仕様駆動CLIによってCLIツールを実行します。 | 「Install/update SDK from AI agents」、「Build my app」、「Run my app on virtual device」 |
| リモートナレッジ検索 | developer.amazon.comおよびcommunity.amazondeveloper.comからドキュメントを検索して取得し、ドキュメント化されている任意のアプリ開発トピックについてAIの支援を受けます。 | 「How can I do a beta test of my Vega app?」、「What are the accessibility guidelines for Vega apps?」、「How do I submit my app to the Amazon Appstore?」 |
プライバシーに関するよくある質問(FAQ)
Q1: Amazon Devices Builder Toolsが開発者のコードやクエリなどの機密データを収集したり、Amazonに送信したりすることはありますか?
A: いいえ。Amazon Devices Builder Toolsでは、以下を含む開発者の秘密情報が収集、送信、保存されることはありません。
- コードサンプルやアプリのソースコード。
- AIアシスタントへのクエリやプロンプト。
- プロジェクトのファイルや構成。
- その他の開発者データや知的財産。
ただし、AIエージェントが発行するドキュメント検索クエリはAmazonのサービスに送信され、現在のタスクに関連するドキュメントの検索に使用されます。
Amazon Devices Builder ToolsとAIアシスタント間のすべてのやり取りは、開発者のコンピューター上でローカルに行われます。コードとクエリは非公開に保たれ、選択したAIアシスタントの独自のプライバシーポリシーに従って、そのAIアシスタントによってのみ処理されます。唯一の例外はドキュメント検索クエリです。
Q2: AIアシスタントはどのようなデータにアクセスできますか?
A: AIアシスタントは、独自のプライバシーポリシーとサービス利用規約に従って、クエリとコードを処理します。アシスタントには、Amazon Devices Builder ToolsからツールとAmazonデバイス固有のコンテキストが提供されます。アシスタントでのデータの処理方法を管理するのは、アシスタントのプロバイダーです。データがどのように処理されるかについては、AIアシスタントのプライバシーポリシーを確認してください。
Q3: 開発者によるAmazon Devices Builder Toolsの使用に関するデータをAmazonが収集することはありますか?
A: Amazonは、Amazon Devices Builder Toolsを改善するために匿名のテレメトリデータを収集します。このテレメトリには、機能の使用パターン、エラー率、パフォーマンス指標が含まれます。テレメトリの収集は、設定で無効にすることができます。
重要なプライバシー保護:
- 機密データは収集の対象外: クエリ、コードサンプル、プロジェクトファイルなど、開発者が作成したコンテンツは一切Amazonに送信されません。
- ローカル処理: MCPは、完全に開発者のローカルコンピューター上で動作します。唯一の例外はドキュメント検索クエリです(Q1を参照)。
- 匿名データのみ: テレメトリデータには、個人を特定できる情報は含まれません。
そのほかにAmazonでは、Amazon Devices Builder Toolsの有用性を把握するために、オプションの開発者アンケートも実施しています。このアンケートへの参加は任意です。
トラブルシューティング
問題が発生した場合は、AI活用開発に向けたAmazon Devices Builder Toolsのトラブルシューティングを参照してください。
関連トピック
- Amazon Devices Builder Tools ReadMe(英語のみ)
- アプリの作成
- Vega仮想デバイスまたはFire TV Stickでのアプリの実行
- アプリのパフォーマンスに関するベストプラクティス
- クラッシュのデバッグ
Last updated: 2026年5月20日

